2015年08月12日

西洋薬と漢方

私は漢方薬を今は主に扱う薬剤師ですが
以前は製薬会社にいたり
大きな病院の前の調剤薬局にいた時代もあります。

いろんな面から『薬』を見てきて、それと、どう
向き合うのか、付き合うのかを
ずっと考え、今は東洋医学に身を置いています。


最近、いろんな相談を受ける中で
病院からのお薬を飲んでいる人も多く
その方々は、なるべく減らしていきたい、という気持ちがある。
そこで、体全体を見て整える漢方を選んでくださっている。

なぜ、減らしたいのか?
その動機が大切だと思います。

確かに西洋のお薬は劇的に症状を改善してくれます。
それがよくもあり、怖いところでもある。

西洋薬が効くのはわかっている。
だからこそ怖い、という人もいます。
それが無いとならない体になってしまうから。

症状が改善したのを良しとして、元々体が訴えていることを
見なくなってしまう人たちもいる。
症状が良くなったから・・・。

大きな分かれ道のような感じがします。

漢方を飲んでも思うように改善しなかったり
結果がついてきていないと西洋薬を選ぶ人もいる。
それはそれで、みている視点が違うから仕方がないことかもしれませんが
複雑な気持ちになることがあります。


薬の作用で症状は治ったように見えるかもしれませんが
体の元々訴えている中からの不調は治るどころか
見なくなったおかげで、かえって、こじれることになっていくこともある。
その西洋薬を使わなくなってしばらくした頃に出てくることがある。

体というのは騙されたふりというか、
面白いもので、西洋薬を使って、症状だけをみると
体の機能を一時的にストップさせるんじゃないか?と思うような
反応をしていることがあります。

排卵誘発剤を使い続けていたり、ピルを服用し続けていたり
そういうことで、服用をやめていらっしゃる方々の月経の不調
を目の当たりにしたり。それが、妊娠にまで話が及ぶと
体の基本的な機能を底上げしていくことから始まるので
かなり、大変なことになります。

皮膚科の薬を塗っていて炎症は止まるけれど、塗っていないと
かゆみが出る、、、などいろんなケースがあります。

かくいう私も、厄介なアレルギーがあるので
時々ひどい症状が出る時はアレルギーの薬を
飲んでいます。
Drは毎日飲みなさいというけれど。
『害はないんだからさ~、毎日のみなよ。
アナフィラキシーで死ぬより良いでしょ』と言われ、
うーむ、とうなってしまった。
わかりますよ、先生。
言いたいこと。
でもね、私はそういう風な生き方じゃないんですよ。

毎日飲んだり、塗ったりすることで自分の体の本来の感覚を
見失ってしまう、そんな気がしています。

私が、アレルギーを出す時は体が疲れをためていたり
ストレスが溜まっている時、食べ物が偏ってしまっている時
というのはわかっています。
それを、薬で押さえ込んでしまうと
疲れていても、薬を飲んでいれば症状は出ませんから
余計に、無理をする。
その結果、体は免疫力を余計に低下させてしまう。

いまはアレルギー程度で済んでいるかもしれないのが
違うことになりかねない、そんなふうに考えて
なるべく自分は自然の治癒力を引き出す方向をとっています。

薬膳や漢方は自分の本来備えている力を取り戻したり引き出すもの。
西洋薬も使い方、付き合い方をわきまえるのが大事だなぁ、と
思うことが最近、増えてきたので
書いてみましたけれど。
皆さんはどんなふうに思いますか?

なつめやは8月12日〜16日までお休みをいただきます。
夏の疲れをここで一息ついて癒しましょう。
  


Posted by なつめや at 06:46Comments(0)