カネマツさんの薬膳講座~春にむけて~

なつめや

2015年02月19日 19:50

すっかり気温も高くなってきて
なんとなく春っぽい空気感が漂う日が多くなってきました。
≪真冬≫とは明らかに違いますね。
身体も少しずつ春に向けて変化しています。
それを自覚していない人が多いかもしれませんが、
『なつめや』で話を聞いていると『春の体になってきたな~』と
感じる人も多くなってきています。

薬膳というのは何が一番大切なのか?という点で
私は『○○の効果があります』みたいなことよりも
季節による体の変化を、その時の旬の野菜や
その土地の食べ物で良い方向へ導いていけるということを
知って、生かしていくことだと思うのです。

もちろんその人の体調や体質に合わせてあげることも
薬膳には含まれてきます。それも大事ですが、
季節感を無視して個人の体のみを見るだけ、というのは
ちょっとちがうかな~と思うのです。
個人の体質の根本的な部分でさえ季節によって
だいぶ変化しますから。

学んでも学んでも新たな発見がある東洋医学や
薬膳は奥深く、むずかしい・・・というイメージが
あるかもしれませんが、基本は『季節感』を中心とした
『五行』、『陰陽』の理論です。
4月から新たにスタートしますので、ご興味があるかたは
カネマツさんか、なつめやにご連絡くださいね。

さて、今回は春に向けて冬の間にため込んだものを
少しずつデトックスしていく時期です。
春になると『五行』のうち『肝』の働きが弱まり
ストレスを感じやすくなったり、落ち込みやすくなったり、
体調ではめまい、頭痛、イライラ、不眠などが
起こりやすくなります。過剰にエネルギーを溜めこんで
しまっていると出てくる症状です。
また、女性は月経などで『血』が不足する『血虚』に
陥りやすく、その結果『肝』の働きが弱まってしまうことが
あります。
ため込んだ過剰なエネルギーをデトックスするのは
『苦味』を含んだ春の緑色の野菜や気の巡りを整える
香りのよい食材たちです。
ふきのとうや、セロリ、セリ、三つ葉、蕨、菜の花・・・
などですね。柑橘のものも良いです。今の時期ですと八朔や
きんかんなどでしょうか。
『血』不足、いわゆる『血虚』の方々にはホウレンソウや豆乳、
黒豆・青味の魚・肉類・卵などを取り入れるようにすると良いです。
特に豆乳や黒豆なら取り入れやすいですよね。
また『気』がフワフワと上昇し、落ち着きがなくなりやすい春は
『貝類』もおススメ。ハマグリやあさり、シジミなどもいいですよ~。
春にハマグリのお吸い物を食するのは薬膳の視点からも
理にかなっているものです。

今回は今季最後の講座でしたので皆さんで『鍋』でした。
・鹿肉つみれの豆乳鍋
・はるいろホットサラダ
・きんかんと春菊の白和え
・麦ごはん
・ふきのとうの大根もち
・イチゴ白玉
春が訪れつつある時期に『鹿肉』はエネルギーとしてはちょっと
強い感じがしますので、ゴボウをたっぷり入れたり、
雑炊のご飯は麦をいれたり。麦は『冷やす』作用で
クールダウンしてくれますから、いらいらする・落ち着きがない
という時にお勧めですね。
麦ごはんは最後に雑炊にしてたっぷりの三つ葉を添えて。

春の香りがする美味しいお弁当でした!!